コレやったらアウト?セーフ? Part 1 |ドローンに関する違法行為逆引き解説

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航空法によるドローン規制で、飛行禁止場所や飛行の方法について制限が設けられていますが、実際にどの様な行為が違法飛行として取り締まられる可能性があるのでしょうか。

過去に取り上げた報道された違法ドローン飛行について取り上げた記事『ドローンの違法飛行|問われる操縦者のモラル』では、ドローンの違法飛行で検挙された例を紹介しました。

人口集中地区内での無許可飛行や承認無き夜間飛行、空港周辺での無許可飛行により滑走路が閉鎖されるなど、事によっては重大事故を引き起こしかねない事例も中にはありました。幸い大事には至っていませんが。

今回は、ドローンの違法飛行の逆引き解説として、「〇〇は航空法違反になるのか?」「△△は法的にどうなのか?」の様に、行動を主体として見ていきたいと思います。
当てはまる条件でどの様な許認可が必要かの参考にもなるかもしれません。

おそらく多くの例が上がるので、何回かの連載にしたいと思います。

 

無人航空機に関すること|飛行許可・承認関係

無人航空機(機体重量200g以上の小型無人機)については、数回に渡って「航空法により飛行に制限がかけられている」
ということを述べてきたので、特に目新しいものはありませんが、2019年秋に航空法の小型無人機に該当する項目に追記変更が為されましたので、改めて解説してみたいと思います。

 

新興住宅街での無人航空機の飛行

都市部や住宅地など、人口集中地区内での無人航空機の飛行が禁止されているのは既知の内容だと思います。
規制内容を再確認したい方はこちらへ『ドローンの法規制 Ⅰ【航空法】 2020年2月12日 加筆修正
ここでのポイントは「新興住宅地」であることです。
人口集中地区が設定される根拠は、5年に1度行われる国勢調査による人口統計がベースとなっているため、前回国勢調査から時間が経つと、街の様子と人口統計が噛み合わない事象が発生します。
2020年の国勢調査により人口集中地区になる可能性の高い場所
この様な新興住宅地での無人航空機の飛行は、航空法の観点からは合法です。もちろん、モニター注視や夜間飛行、第三者への接近などを含む飛行の場合は、禁止された方法での飛行に関する承認を得る必要はありますが、飛行場所について規制はありません。よって、航空局に飛行許可申請をする必要もありません。
但し、住宅地であるという地域の特性上、住人のプライバシーに対して配慮が必要になります。土地所有権の上空権のこともありますので、トラブル回避のための根回しは重要です。

適用法令:航空法第132条第2号

 

国内全域対象の包括許認可を得ているので人口集中地区内で夕焼けの撮影をしていた

ここで注意すべきポイントは、全国対象の包括許認可を得ているという点です。
日本全国対象の包括許可・承認書では、原則として人口集中地区内で第三者への接近以外、航空法第132条の2で定められた飛行の方法に則って飛行させることを求めています。豊富な操縦経験がある者が申請内容に手を加えることにより人口集中地区内での目視外飛行については特例により認められる場合もあります。
相模湾東部 伊東の夕暮れ
例の場合は、日没時刻までに無人航空機の飛行を終了できれば問題はありませんが、撮影するのは「夕陽」ではなく「夕焼け」、この場合、日没後の飛行も想定されます。人口集中地区内での夜間飛行については、個別に飛行経路や範囲を特定した上で、人口集中地区+夜間飛行の包括申請を行い、飛行許可及び飛行の承認を得る必要があり、全国包括許認可承認で人口集中地区内での夜間飛行は行えません。

適用法令:航空法第132条但書、同第2号、同132条の2第6号

 

登山中にドローンで空撮映像を撮影

テレビ番組などでもたまに見かける山岳地帯でのドローン映像。山間部での無人航空機の飛行には平地で飛ばす以上に高さに対して注意を払う必要があります。
山間部ドローン空撮
無人航空機の飛行高度制限は、地表または水面から150m未満の空域と定められています。山間部の場合はその地表が起伏のある形状をしているわけで、水平飛行をしていると、「離陸して真上に100m上昇した、しかしここでは地上高50m、ここでは地上高160m」の様に、地形に連動して対地高度が上下します。そして高度計には延々と100mの表示。
対地高度と相対高度
山岳地帯に行けば平気で150mの断崖があったりもするのでその場合は、断崖の外側に行った瞬間に航空法違反が成立します。高度計の表示が「150」以上の数値を指していなくても、地表や水面までの実際の垂直距離が150mを超えていることは易に想像がつきますので、この場合は「地表または水面から150m以上の空域の飛行」に対する許可申請を行い、飛行許可を得る必要があります。

ちなみに、標高の低い方向に向かって飛んでいくと航空法違反の恐れがあるため危険ですが、反対に標高の高い方向に向かって飛んでいくのも、障害物の相対高度が高くなるので、衝突防止の観点からも注意が必要です。

関連法令:航空法第132条第1号

 

高さ200建物の屋上から無人航空機を離陸させる

この場合は、宙に浮いた瞬間に航空法違反(制限高度超過)が成立します。
航空法で定められている、無人航空機の飛行可能高度はあくまで「地表または水面から150m未満」なので、建物の高さは考慮されません。
ビル屋上からの離陸は要注意

山間部での無人航空機の飛行と同様に、ビルの屋上からの飛行も、場合によっては地表または水面から150m以上の空域の飛行許可を得る必要があります。

関連法令:航空法第132条第1号

 

無人航空機を用いて写真撮影、目視外飛行の承認は取ってないけど直接目視で飛ぶからOK?

ライブビューの注視やFPVゴーグルの着用は、飛行中の無人航空機の直接目視による監視を行っていないということで、定められた飛行の方法からの逸脱「目視外飛行」にあたります。この例の場合は、目視外飛行の承認は得ていないので、直接目視により機体とその周辺環境を常時監視する必要があります。
電池残量の確認や、機体の異常を知らせる警告を確認するために送信機のモニターを一瞬確認するのはどうなのか。
ライブビュー画面
厳密にいうと、電池残量の確認や警告の確認であっても機体から目を離した時点で、直接目視による監視下に無いと判断できます。
自動車の運転中に携帯電話やスマートフォン、カーナビを注視すると道路交通法違反になります。「2秒までならOK」みたいなことを言う人もいますが、全く根拠が無く、そこまで厳しく取り締まるのか?という観点から言われている俗説に過ぎません。
無人航空機の飛行においても同様のことを言う人がいますが、航空法(施行規則も含め)にも、国土交通省が出している文書「無人航空機に係る規制の運用における解釈について」、ガイドラインにも一切指示はありませんし、明記するはずがありません。
写真撮影でも最終的にフレーミングのためモニターを見るでしょう。反対にモニターを一切見ずに適切なフレーミングができれば、それは一種の才能だと思います。
モニターを見る可能性がある(送信機にライブビューモニターを搭載している機材を使用している)場合は、目視外飛行の承認を得ておくようにしてください。

 

今日のところは以上です。
続きはまた後日とします。お楽しみに〜

 

高さ制限に関する詳しい内容は、弊社運営のドローンスクール8「飛行規制対策講座」内で、専用テキストを用いて詳しく解説しています。高高度に飛ばすことは無いと思っていても、実はソレ…という例は山の様に存在します。故意でも過失でも航空法違反は航空法違反で同じ様に罰せられます。

自分自身が訴追されるならまだしも、1ユーザーの違法行為が原因で規制の内容が変わり、全てのドローンユーザーに影響を及ぼすこともまだまだあり得ます。自身が法規制強化の切っ掛けにならないためにも、一度受講を検討してみてください。

 

 


筆者プロフィール

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2019年G20開催期間中の大阪において、大阪市長の行為許可のもとプロジェクトを行うなど多くの事例を持つメンバーが在籍。

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