ドローン登録制度がとうとう日本でも?

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2019年12月2日 朝日新聞朝刊より

 

とうとう日本でもドローンの機体登録制度の導入が検討段階に入ったようです。次回無人航空機に関する法改正が行われる際に盛り込まれる可能性が高くなりました。

日本政府曰く「トラブルや事故に対応しやすくする狙いがある」とのことですが、実際のところどうなんでしょう。


 

事実上の登録制度は既に

現在においても、飛行許可承認申請やドローン情報基盤システム(FISS)に飛行予定の登録を行う際に、機体名称やシリアル番号などの情報の登録が必要なので、事実上の登録制度が既に運用されています。

現行の規定では、航空局からの許認可を得て飛行させる場合にはFISSへの飛行計画の登録は必須であり、航空法規制を正しく理解しているドローンユーザーであれば、国内でドローンを飛行させるには「人口集中地区内」「第三者から30m以内での飛行」「直接目視外飛行」の何れか、または全ての許認可を得ているはずなので、必然的にDIPSとFISSヘの機体登録を行っていることになります。

DIPSとFISSそれぞれの登録情報を共有できるとは言え、既に2通りの登録手続きを行なっている国内のドローンユーザー。既に二度手間の運用形態になってしまっており、更に追加の機体登録制度ができてしまっては、ユーザーは「どこに何を登録したのか」状態に陥ってしまいます。

国には、登録制度を作ることを目的とするのではなく、その後如何に運用するのかを是非とも考えて欲しいものです。

 

海外でも着々と

アメリカでは2016年に連邦航空法で小型無人機に対する規制ができた時点から、機体重量が0.55lbs(249.48g)以上55lbs(24.948kg)未満の小型無人機は合衆国連邦航空局(FAA)への機体登録を義務付ける制度が運用されています。

FAAへの機体登録料は1機につき$5.00で、登録が完了するとID番号が発行されます。そのIDは機体の見える場所に表示する必要があります。日本の登録制度もこれに倣って機体に発行されたIDを表示することになるようです。

直接機体にペンで番号を書いてもいいですし、テプラで印字したものを貼ってもいいですし。

FAAへのドローン登録証書

また、イギリスでも2019年11月30日より機体重量250gから20kgのドローンや模型航空機などに適用される機体登録制度が導入されました。ドローン登録制度制定構想から苦節2年とのこと。

イギリスでは文字の大きさも規定以上のサイズであることが求められているようです。

イギリスでは、実際に飛行中の航空機にドローンが衝突するという事故(BBC News)が発生しており、最近でもイギリス国内で最も発着便数の多いヒースロー空港やガトウィック空港では、ドローンが目撃されたことが起因で空港が閉鎖されるなどの事件が起こっていることから、ドローン登録制度の導入が急がれていました。

 

日本のドローン登録制度はどうなる?

関空 ドローン事件海自呉地方総監部ドローン事件(朝日新聞)と、飛行禁止空域でドローンの無許可飛行を行った事例が立て続けに報道されました。2019年のゴールデンウィーク中には、皇居周辺でのドローン目撃情報が相次ぐ(産経新聞)などの事例や、東京の芝公園内で許認可を得ないまま都市部の公園で、しかも夜間にドローンを飛行させたなどの事例も報じられ、6月に大阪で行われたG20サミットでは、ドローンの無断飛行についても厳戒対策が取られました。

それでも禁止エリアで飛ばしてしまう人が出るあたり、どれだけリテラシーが低いんだ。という話なのですが、無知故の違法行為が後を絶たないのが現状です。

2019年12月2日 朝日新聞朝刊

関西空港では、滑走路が複数回にわたって閉鎖され、多数の利用客にも影響が出てしまっています。

新聞記事によると、ドローンの機体登録に際して必要な情報は、

  • 操縦者やドローン所有者の氏名
  • 機体の製造者や形式
  • 機体の製造番号
  • 機体重量

などの項目。これらを登録しなければドローンを飛行させることはできなくなるとのこと。登録内容は、アメリカやイギリスとそう変わらない内容に落ち着くと思います。

ただでさえ、DIPSやFISSで複数の媒体に機体や操縦者に関する情報を事実上登録しないといけない制度が既にあるので、既存のシステム間で情報の互換性を持たせるなど、対策を講じて欲しいものです。

日本の航空法では、機体重量200g以上25kg未満が無人航空機とされており、各種ドローン規制の対象となっています。機体登録制度はこの「無人航空機」を対象とするもので、重量199g以下の模型航空機は登録義務の対象から外れ、重量25kgを超える大型無人機については既に個別の機体認証を得る必要があるので、対応する制度が異なります。

 

登録費用が発生するのか否か

現行のドローン飛行に関する国土交通省航空局への申請手続きには一切費用が発生しません。この点は評価できるポイントなのですが、先術にもある通りアメリカではFAAへの登録に5ドル(約545円)、イギリスではオペレーターIDの登録に年間9ポンド(約1,280円)の費用がかかります。
現在得られる情報では、機体の登録が有料なのか無料なのかが分かりませんので、一ドローンユーザーとしては是非とも無料であることを願ってやみません。

 

結局は「制度の目的化」

「手段の目的化」日本の行政でよく見られる特徴ではないでしょうか。

役所で行政文書を取得するにも、申請書がどうだ、記載内容がどうだと本当にその情報が必要なのかと思うこともちらほら。

先に挙げた国内でのドローン関連事件の内、無人航空機ではなく模型航空機を用いた違法ドローン飛行が含まれています。
政府は「トラブルや事故に対応しやすくする狙いがある」と言っていますが、実際問題として、関空で目撃されたドローンは無人航空機ではなく、比較的大型の模型航空機を使用している可能性が高い事例です。

なぜなら、国内シェアNo.1のDJI製品を使用した場合、空港周辺ではGEOゾーン指定による飛行自主規制が行われており、飛行制限を解除しない限り飛行高度制限やそもそもモーターが回らないなどの対策が取られているためです。

DJI GO 4のGEO Zone表示

GEOエリア内で飛行させるために、制限の解除を行うことはできますが、そのためにはDJI本部へ飛行制限解除の申請を行なう必要があり、DJIアカウントの登録はもとより、空港管理者や航空局による飛行許可の取得や、既に廃止されている空港施設等であることの証明を行なう必要があります。

もちろん、制限解除を行うことなく飛行させることもできない訳ではないのですが・・・

無人航空機に該当しないドローンでも、最近ではGPSによる自動ホバリング機能などが充実した製品も販売されており。カメラ付きのモデルでは、映像を撮影したりFPV飛行を行うこともできます。

今回の機体登録制度の対象は無人航空機のみで、模型航空機は含まれません。

政府が言うように「トラブルや事故に対応しやすくする狙い」を果たせるのかどうかは、結構微妙なところなのではないでしょうか。とりあえず制度化しておこう感が否めません、だったらDIPSやFISS導入時にもっと先を見越してアメリカのような制度にすればよかっただけで。

既に運用されているドローンは数多く、無人航空機の許認可だけでも数万件。これが一気に登録されるとなると、システムのパンクも心配です。「登録しないと飛ばせません」→「登録したいけどエラーでできません」→「登録しないと飛べません」の無限ループだけは勘弁していただきたい。

そして、このまま模型航空機も登録対象にならないことを願うばかりです。

本格施行は何時ごろ?

現在は検討段階とのことですが、ドローン関連の法規制強化は急ピッチで進みがち。
2020年4月1日の航空法改正内容はすでに公布されているので、その次の改正時期が濃厚か?
この件については、随時新しい情報を更新していきます。


筆者:Yuh Fujinaga

 

 

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