空撮屋のノウハウ Vol.2|空撮屋と法規制の戦い

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2015年末、航空法にドローン規制が追加された時期のドローンは、お世辞にも性能がいいとは言い難く、DJIの製品でも飛行中にジャイロセンサーに異常をきたし、バランスを崩して制御不能になったり、空中でモーターが停止するなどのトラブルが起こっていました。

ドローンの信頼性が著しく向上したのは2017年頃。
上級機種ではGPSやジャイロセンサーがデュアルモジュール化され、システムの信頼性も向上しました。
ESC(モーターを個別に制御するコンピューター)やプロペラの形状も磨きがかかり、音も静かになっています。
プロペラの進化
一度規制を作ってしまうと、機器の性能や機能が向上しても規制の大枠はなかなか変わらないのは日本の行政の悪いところですが、この辺は車と同じような感じですね。
国土交通省のドローン行政が、どちらかというと調査測量や点検分野に偏った視点で進んでいる現状はどうにかならないのかと思っていますが、市場規模が違いますからまぁ仕方ないと思っています。

文句の一つや二つあるけれど
世界的に見れば日本のドローン規制はマシな方

日本の航空法におけるドローン規制は、飛行場所に関する規制と飛行の方法に関する規制の2つしかありません。
飛行場所については、
空港施設周辺での高度制限(一部空港では飛行禁止措置も有り)と一般空域での飛行高度制限(対地高度規制)、人家の密集地域での飛行禁止の3つ。

飛行の方法については、2019年の航空法改正にドローン規制の改正が盛り込まれ、特定条件での飲酒操縦の禁止や機体点検、他の航空機や無人航空機との接触回避を義務化、他者に迷惑を及ぼすような飛行の禁止が追加され。
機構形態では、夜間飛行禁止や直接目視による飛行中の機体監視、安全距離30mの確保、催し会場及びその周辺での飛行の禁止、危険物輸送や物件投下の禁止が規定されています。
飛行規制内容
航空法による規制自体は意外と単純で、許認可が必要な飛行場所での飛行や飛行の方法に対して、正しく飛行許可承認を得ていれば、あとは飛行の当たり前のことを当たり前にやっていれば法に抵触することはありませんが・・・

包括申請により得た飛行許可承認書の落とし穴

航空法で禁止されている場所や方法でドローンを飛行させる場合に行う、飛行許可承認申請。
この制度のポイントは、申請したことしか認められないということです。
日本全国の包括飛行許可承認を得てるので、どこでも飛ばせると思っている方も、少なからずおられるかもしれませんが、ドローンの包括許認可に大きな制約がかけられており、国交相基準で申請を行って得た飛行許可や承認の内容では、全く仕事ができない自体に陥ってしまいます。
国土交通省航空局標準マニュアル②(令和2年4月1日版)
あくまで、突然のフライトに対応できるようにした、「とりあえず飛ばせるための許可」なので、市街地でのフライトに対しては事実上認めないスタンスを取っています。
大阪城は規制がいっぱい

大きな法改正は2回だけ、しかし…

ドローン規制の施行から今年で5年目。その間でドローンに纏わる法改正は、2015年12月10日と2019年9月18日の2回。
ですが、その5年の間に、ドローンを扱う環境の変化は複数回に渡ります。
ほとんどが、無人航空機の飛行に関する許可・承認の審査要領の改定で平成27年11月17日の制定から現行の令和2年3月19日改訂版までの間、8回に渡って改定されています。
その改定の中で、映像空撮業者に取って痛い改定が、人口集中地区ないでの夜間飛行の個別承認化と、夜間の目視外飛行の否承認。特に夜間絡みの飛行が軒並み認められなくなりました。
そもそも包括許可承認における、許認可内容の重複遂行に対して許可は出ないのですが、申請の段階で飛行マニュアルの独自策定を行い、その内容が承認された場合、飛行場所や飛行の方法の制限は一定のレベルで緩和させることができてました。

ドローン行政改革の中枢にいるのはいかにも産業ドローン系の人たち
早熟過ぎた空撮業界

空撮も立派なドローン産業の1つなのですが、どうも最近の制度設計やドローン行政の行末を見ていると、クローズドの現場で行われる測量や点検など工業分野にバイアスがかかっている様に思います(あくまで筆者の主観ですが)。
そんな彼らの意見を聞いて敷かれるドローン規制。
日本のドローン産業のロードマップの中で、未だに「Lv.4 市街地での目視外飛行に向けてのルール作り」と言っている時点で、映像空撮の分野に目が目が向けられていないのは、少し残念ではあります。
確かに発展途上の産業で、回るお金の額が空撮と比べ物にならないのも事実、機載カメラの性能が上がり、ドローン本体の性能も必要十分なレベルに到達し、あとはオペレーターの操縦技術に依るところの大きい映像空撮分野はドローン産業として早く成熟し過ぎてしまった感はあります。現に、テレビや映画でドローンを使ったであろう映像を見かける頻度は、この1~2年で大きく増えました。

できる範囲でできる事を

とはいうものの、空港の周辺や人口集中地区以外ではドローンの飛行に対して航空法上の制約はなく。高さ制限も諸外国の400ft規制や120m規制よりも緩い150m規制。承認さえ得ていれば、制約はあれど夜間飛行や目視外飛行が実施できるなど、比較的できることの幅が広い日本のドローン規制。
ドローンを使って撮影する仕事の多くが、人口集中地区外であることが多いので、実際の準備段階に移行した空撮業務に於いて、法規制のせいで実施不可ということは、そこまで多くはありません。
「ここではどう考えても無理でしょ」と企画段階で実施不可にすることはたまにありますけど。
狭所突入

自分で自分の首を絞めることのない様に

審査要項の改定で、できなくなった事があるのも事実。
その改定の原因を作っているのも、違法行為や重大事故を起こした一部のドローンユーザーであることを忘れてはなりません。
そして、自身がその1人にならない為にも、安全対策や操縦技術の向上、コンプライアンスに関する情報の収集を怠らない様にしましょう。

次回は、Vol.3|撮影の仕事、準備が9割
現場でのフライトは仕事の総仕上げ

 


筆者プロフィール

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