わざわざ何世代も前のドローンを使う理由|操縦訓練用ドローン F450

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今回は、弊社が運営しているドローンスクール8で実技講習用に採用しているF450というドローンに、スポットを当ててみたいと思います。


操縦訓練用ドローン F450

F450は実技講習で使用しているドローンで、2011年(国内最古のカタログ掲載情報)に発売されたDIYドローンです。
機体の大きさは現行機種であるPhantom 4 Proと同じくらいのサイズで、基本的に購入したフレームに、任意のフライトコントローラー、ESC、モーター、プロペラ、プロポ、その他付属部品を組み合わせて機体を構成していきます。

弊社の操縦訓練用F450は、ただ飛ぶだけのドローンとして構成されていますが、本来はこれにGo Proなどのアクションカメラを積んで空撮用ドローンに仕立てるのが最もポピュラーでした。
本気の空撮ユーザーは、より積載可能重量が大きいF550を選び、ジンバル機構を組み、マイクロフォーサーズカメラや一眼レフカメラを搭載して、求めている映像クオリティを追求した「高画質ドローン空撮=自作ドローン」という時代がありました。

Inspire 1 + Zenmuse X3
発売当初プロユーザー向けの機体であったInspire 1とZenmuse X3のセット。
このX3というカメラも、現行機のカメラと比べると、お世辞にも性能が高いカメラといえる物ではありませんでした。
実際に使っていた筆者の個人的な印象としては、ものすごく平面的に写ってしまうカメラで歪曲収差※大きいカメラであると思っていました。

※歪曲収差 (distortion) は、ザイデル収差の一つで、典型的な現れかたとしては、撮像面に並行な被写体面のテストパターン等の矩形が矩形として撮影されない、あるいは同じ光学系を逆方向に使い投影した時にテストパターン等の矩形が矩形として投影されない、といったような収差となります。
フィッシュアイレンズ(魚眼レンズ)は、この歪曲収差を意図的に大きく表現する様に構成されたレンズです。
 

敢えて古いドローンを実技教習用に使用する理由

このドローンを採用している理由は、構造・構成がシンプルであることと、たとえ破損しても破損箇所の部品を交換するだけで修理が完了すること。そして、GPSや各種センサーを用いたポジショニングモード(車でいうところのレベル1の自動運転)、ジャイロセンサーと気圧センサーのみを有効にしたATTIモード(車でいうところのAT車)、一切のセンサー類の介入を無くしたマニュアルモード(車でいうところの3ペダルMT車)の切り替えができることです。
実際の操縦訓練では、2台の送信機(リモコン)を有線接続したマスター・スレーブ(トレーニング)モードを使用し、ATTIモードでの操縦訓練を行います。もし受講者が危険な操作を行った場合に、サポートに入れる体制をとっています。
訓練用送信機|マスタースレーブコントローラー
 

F450はDJI社製ドローンシリーズの1つ

実技講習用ドローンのF450は、特別なドローンというわけではなく、Flame Wheel Seriesの3機種の一つで、一般の方でも購入できる市販品です。2011年ごろ(国内最古のカタログへの掲載情報です)に販売がスタート。Phantom 1の発売は2013年の初頭なので、それより前から販売されているということになります。
シリーズの中には、軽量クアッドコプターモデルのF330、スクールで使用しているF450、ヘキサコプターのF550の3つがラインナップされており、現在でも購入することができます。

但し、Flame Wheel Seriesは3機種ともドローンキットです。
F450であれば、Amazonで18,000円ほどの価格(モーター、ESC、プロペラがセットになっている)から購入することができます。
これにフライトコントローラーを含む各種モジュール類、電源ユニット、GPSシステムを使いたいならアンテナ、プロポ一式を併せて購入する必要があるので、結局10万円近くかかってしまいますし、基本的に自身での組み立てが必要です。しかし、現行のPhantom 4 Pro V2.0が21万円弱なので、半分の値段で構成部品を買い集めることはできます。

 

ドローンの基本がわかる

操縦技術や法規・ルールを知ることも大切ですが、機体の構造や仕様、システムの構成を知っておくことも大切です。このF450の組み立てを行うためには、否が応でもこれら3つの知識は必須です。
そもそも、機体の構造・構成をちゃんと理解していないと正常に飛ばなかったり、配線や構成が正しくても機体バランスが悪ければやはり飛行が不安定になるなど、製作者の癖が現れるドローンであると言えます。
よくある構成ミスは、モーターの回転方向が間違っていることでしょうか。

ドローンスクール8のJUIDA操縦技能認定コースの座学内で機体構成の項目があり、そこで詳しく解説しています。ちょうどテキストに使われている構成例がF450のものだったので。

ドローンの仕組みを学習する上でも、1から作ってみるのは面白いかもしれません。完成して、最初に正常な離陸ができた時の喜びは一入だと思います。

ドローンスクール8ではこのF450を、DJI製のフライトコントローラー「Naza-M Lite」で制御しています。
プロポは送信機・受信機ともに、ラジコンヘリコプターや飛行機の操縦で定評のあるフタバ製を、マスター・スレーブモードで使用しています。
練習用ドローンの心臓部 MC Maza-M Lite
ちなみに、Phantom 1は基本システムを共通としたフライトコントローラーを使用していました。

Phantomより改造や調整の幅が広く、使い勝手が良かったため、古くからドローン空撮に携わっていたユーザーに愛用されていました。

ちなみに、弊社にも6ペラ仕様(ヘキサコプター)のF550が、ドローン保管棚の肥やし(F450用に部品取りにしてしまいましたゴメンナサイ状態)になっていますが一応あります。
こちらはGo ProやDJI Actionなどのアクションカメラを搭載して、安定した動画や写真の撮影ができる様に、傾きやブレ防止のためにジンバルも搭載しています。また、防犯カメラ用の2.4GHzの映像伝送機を流用し、FPV飛行ができる仕様にしています。

 

2011年発売〜今でも現役

DJI Flame Wheel Seriesは、製作者の好みに合わせて構成することができることから、特殊ドローンのベースとしても重宝されています。
ニュースでも取り上げられていたこのシリーズのドローンを使用し、スズメバチ駆除を行っています。

動画はQueen Bee And Drone Inc.より
このドローンはF550に殺虫剤噴射機を搭載し、送信機のレバー操作で殺虫剤を噴射する機構になっています。
まぁ、「ドローンで蜂を駆除する」名前をもらった恩を仇で返している様な気もしなくもないですが、キットドローンの利点をフルで活かした一つの例と言えます。

自由な機体構成ができる特徴から、カメラを上に向けて設置して市販ドローンの弱点をカバーしたり、本当に飛ぶだけの訓練用ドローンにしてみたり、別の機会を積んで遠隔操作に対応させたりと、このドローンを扱うエンジニアの数だけ多種多様の使い方ができる。そんなドローンです。

※Flame Wheel Seriesは最軽量のF330でも機体重量は200gを超えますので、航空法規制の対象になります。DJIの製品ですが、Flame Wheel SeriesのF330、F450、F550は国土交通省の資料の一部を省略することができる無人航空機のリストには掲載されていません。
航空局への許認可申請にあたっては、機体の構成図面や写真などの機体情報資料を作成して、添付する必要があります。


筆者プロフィール

 

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