関空|ドローンにより滑走路が度々閉鎖

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関西空港の滑走路周辺で飛行中のドローンが地上作業員により目撃され、2本ある滑走路が閉鎖された事件を各メディアが報じていました。

毎日新聞2019年11月9日発行記事

日本経済新聞2019年11月9日発行記事

これにより遅延や欠航便が出たり、関空に到着予定だった便が行き先を変更するなどの影響が出ました。

今回は、この「関空ドローン事件」を、ドローンオペレーターの視点から考察したいと思います。


空港周辺で飛ばしてはいけない訳ではないが

規制内容改訂版実は同様の事例は過去にも起こっているはずです(さすがに空港敷地内はないと思いますけど)が、空港の周辺でドローンを飛行させる事自体は、禁止されていません。航空法を正しく理解してドローンを運用している者からすれば、空港の周辺は絶対的に飛行禁止ではなく、制限表面より下の空域であれば、航空法による無人航空機の飛行の制限は、人口集中地区であるか否か、高さ150m未満での飛行であるかだけであることくらい分かっているはずです。

今回の例で何が問題かというと、2019年8月23日に出された告示(国土交通省告示第460号)で一部の拠点空港では、当該空港付近での飛行規制が厳格化されています。

規制強化の内容は、新千歳、成田、羽田、中部、大阪、関西、福岡、那覇の8空港の空港敷地の上空、進入表面と移転表面の下の地域では、制限表面下の空域であっても無人航空機の飛行を禁止することが書かれています。

新しい規制による「絶対飛行禁止エリア」は地理院地図上で確認することができます。

同じ拠点空港の関西空港と松山空港を例に挙げて解説すると、右の松山空港の制限区域は全ては緑色で塗られていますが関空は空港の敷地と移転表面、制限表面が灰色に塗られています。成田や羽田も同様の表示がされています。

今回の事例では、この拡大された飛行禁止空域を飛行させているということが問題点として挙げられます。

 

関空でのドローン目撃、今となっては

今回の例では、航空機との接触こそありませんでしたが、航空機の運航に大きな影響が出てしまっています。

岸から離れた海上に位置する関西空港。船で近づかない限り一般人が空港島付近でドローンを飛ばす術は無い様に思えますが、実は最も近い陸地とは4kmと離れていません。

市販のドローンであっても、標準仕様で8km、日本の電波法対策を施した国内仕様でも5km(いずれの数値もカタログ値)飛ぶことができるので、関空との海峡を飛んでいくことができます。

一部報道では、第二ターミナル付近で目撃されたとの情報もあります。関西空港の場合は、空港島内(空港敷地内)でも一般人がドローンの離着陸を行えてしまうスペースがあるのが現実です。

関西空港の場合は、関空島全域が空港敷地に指定されているので、島内での発着は航空法違反です。

 

ほぼ故意犯

関西空港の場合、「ここに空港があるとは思わなかった。」などという供述は明らかに通用しません。

大規模空港ではメーカーによる飛行自主規制が行われているため、空港の近くではモニターに警告が出たり、そもそもモーターが回らなかったりしっかりと対策がされています。

GEOゾーン

もちろんこの自主規制が完璧に飛行禁止エリアを網羅している訳ではありませんが、自主規制エリアの外から接近して行ってもオペレーターに対して警告を表示し、反応なき場合は自動で進行を停止するなどの機能を有しています。

それらの機能を意図的にカット、または作動不能にしていることから、操縦していた本人は意図的にドローンを空港島に接近させたことが言えます。

 

違法行為か否か、罰則はどうなる?

メディアでも取り上げられ、またドローンの飛行が問題視されていますが、そもそも今回の事例が違法行為であったかどうかです。

航空法の観点から見ると

空港の地上作業員が目撃したということで比較的至近距離を飛んでいたのは確実ですが、航空法の規制に抵触していたかどうかは正直何とも言えません。
ドローンが空港の近くを飛ぶことによって生じる運航への障害は少し置いておいて、航空法の観点から今回の件を見ると、滑走路に最も近いところまでドローンが接近していたとしても、着陸帯の側面から314.68mの地点から内側に入っておらず、飛行高度が空港標点を基準に45m未満の高さであれば航空法上は何ら問題が無いこと
になります。2019年8月に出された告示による飛行禁止区域は右上図の×印がされている空域と、右下図の赤色で塗られた区域と空港敷地内です。そこに侵入さえしなければ、航空法違反の罪に問われることはありません。

その他既存法では

今回の例では旅客機の発着を止めてしまいました。もしかすると滑走路閉鎖が過剰反応だったのかもしれません。しかし、ひっきりなしに飛行機の離着陸が行われ、その大部分が旅客機であることを考えると、この先どう動くかわからないドローンを見過ごす訳にはいきませんので当然の対応だと思います。

この場合は空港の発着業務を妨害したとして、威力業務妨害(刑法第234条)の罪に問われる他、航空機との接近・接触があった場合は、往来を妨害する罪(刑法第124~129条)に問うことも可能であるため、刑事訴追し有罪にすることは可能であると言えます。

この事例の本質は

今回立て続けに関西空港の滑走路近くでドローンが目撃され、滑走路が閉鎖される事態を招きました。

飛んでいたドローンが航空法に違反していたかどうかは、今の段階では分かりません。

「ドローンが原因で滑走路が閉鎖されて、多くの航空機に影響が出てけしからん。」という人もいるかもしれませんが、悪いのはドローンではなくそれを操縦しているオペレーターな訳で、ドローン自体に罪はありません。

今回の件が原因で、またドローンの肩身が狭くならない様に願うばかりです。

 


 

今回の事例は確実に故意による違反行為です。しかし実際にドローンを操縦していると過失による航空法違反を犯してしまう可能性も否めません。

関西空港はあからさまな「空港」ですが、制限表面による物件設置制限は供用ヘリポートにも指定されており、これを正確に察知するのは大変です。

飛行高度の制限には空港周辺以外でも地上高150m制限もあります。こちらは意図せず違反してしまう例が後を断ちません。

正しい法規制の知識を得るためにも、是非ドローンスクール8の飛行規制対策講座を受講してみてください。

 


筆者:Yuh Fujinaga

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