Mavic Mini屋外飛行テスト|相当頑張ってくれそう?

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先日届いたMavic Miniを、早速屋外で飛行させてみました。

トイドローンというと主に屋内での飛行を前提とした超小型のドローンを想像しがちですが、カメラが搭載され空撮用ドローン顔負けの自律ホバリング機能を有したドローンも増えてきました。

ドローンの構造自体が安定性を高めているモデルや、空撮用ドローンに搭載されているようなVPS(Vision Positioning System)を搭載し、機体直下の模様を認識し、超音波センサーと気圧センサーにより高さと機体位置を自動補正するトイドローンも2~3年前から販売されていました。

既存の機体重量200g未満のカテゴリーで販売されている製品で、GPS測位による自動機体位置補正機能を有した機体が無かったわけではありません。
しかし、機体の信頼性の観点から、なかなか手が出せる品ではなかったのが、一ドローンユーザーとしての判断でした。

Mavic Miniはその辺りの常識を覆す製品であるのかが、今回の注目ポイントです。


屋外の飛行に耐えられるのか

小型軽量のドローンを飛行させる時にまず気になるのが、対風圧性能ではないでしょうか。
どのくらいの風まで耐えてくれるのかは、屋外でドローンを飛行させるに当たって最重要と言っていいほどの要素です。

既に重量200g未満のカテゴリーとして販売されているドローン。TelloやMamboも風が吹とまともに飛んでくれません。
送信機や送信機として使用しているスマートフォンの空中線電力が低いので、すぐに操縦電波の伝送が途絶えてしまうことが、機体ロストの原因とも言えます。

Mavic 2やMavic Air、事実上の先代機に当たるSparkも、カタログ上の対風圧性能は風速10m/sまでとなっています。
Mavic Miniはどのくらいまで大丈夫なのかというと、カタログ上では風速8m/sまで。
これでも、体感的にはかなりの風速です。時速に置き換えると28.8km/hです。

一応、国が定める無人航空機の飛行マニュアルに記載されている風速制限は5m/s。一般のドローンユーザーが遊びで飛ばす場合は、おそらくこの枠外のコンディションで飛行させる人は少ないかと思います。

テストフライトをした時の環境は、「気温12℃、雲量10、地上風速0.5m/s、上空20m風速1.5m/s」で、風はほとんど無視していい程度で、ドローンが頑張っている様子はありません。

初回飛行場所の電波環境は、Wi-Fiが飛んでいたりするので良いとは言えない環境でしたが、上空150m付近まで上昇しても問題なく飛行していました。
なお、伊丹空港と神戸空港の進入管制区であるため、上昇テストは150mまでで今回はストップ。上空風速はGPSがカットできないので測定できていません。

印象としては200m程度の高さまでは大丈夫そうだと感じました(あくまで主観ですけど)。

今回のテストではドローンが一番苦手とする近場での上昇だったので、送信機のアンテナの向きが特に重要でした。

曇りなのでGPSの測位精度も若干落ちていると思いますが、自律ホバリングも安定していました。ホバリング制度はInspire1やPhantom3を見ている様なイメージです。

この年代のドローンと同レベルの性能がたった199gドローンに実装されました。Zenmuse X3搭載のInspire1であれば、カメラの描写もMavic Miniの方が上なんじゃないかと思うくらいです。残念ながらRAWは撮れませんが。

操作感はちょっと重くてラグが大きい

筆者が動画撮影の時、特に重要視しているのはドローンの操作感。
スティックのバネの強さやストロークの幅、機体のMCパラメーター、ゲインの大きさ諸々。
新しい機体を購入すると延々と数値を弄りながら、しっくりくるポイントを探すのですが、SparkやMavic Miniのクラスとなると細かい操縦反応性の調整ができないため、どうしても操作側で合わせないといけなくなってしまいます。
最終的に慣れればOKなのですが、個人的にはエンドポイントを大きくゲインを低く、スティックのスプリングは軽くが好みなんですけどね。
(専門用語が羅列されて何のこっちゃ?と思っている人も居るでしょうけど、これから空撮を生業としたいと考えている人はこの辺を理解して弄れないと、なかなか厳しいかもしれませんよ。)

また、Mavic Mini操作反応の特性として、ラダー操作に対する反応が鈍い事が挙げられます。特にリリースに弱い。
上の動画でもある様に、本来建物の方向を向いた時点でパンを終了したかったのが行き過ぎてしまい振り戻しています。この辺は、ラダーコントロールの精度を向上することに精進して対処しようと思います。

軽くて許認可要らず|何でもできそうな気にさせる

若干挙動に癖のあるMavic Miniですが、これは空撮屋が細かい操作をして狙ったアングルを抑えたい欲求を吐露しているがため。本来このドローンを購入するユーザはそんな事まで求めないでしょう。

反対に必要十分な性能を有しているくらいです。

煩わしい航空局への許認可申請やFISSへの飛行計画の登録、今後予定されている無人航空機の機体登録制度の対象から外れるので、気軽に飛ばせるドローンのイメージが先行しています。

飛行安定性や安全性もPhantom3レベルまで高められているので、やはり自身の操縦技術レベルを超えた無理な飛行をしてしまう可能性は排除できません。

無人航空機ではないので、事故を起こしても航空局への報告義務もないので、反面教師の材料にもできないのが問題点でしょうか。

 

接続エラーが起こりやすい?

小型ドローンの弱点は、電波干渉に弱いことにあります。
「信号弱。アンテナを調整してください。」という表示が頻繁に出ていました。
実際にアンテナの調整をすれば回復するので、送信機のアンテナの向きと、Mavic Mini本体との関係に注意を払う必要があります。
ライブビュー伝送に拡張Wi-Fiを使っているドローンの宿命です。

今回のテストで操縦していた場所のすぐ近くにはステンレスの柵があったり、ドブ付メッキ加工のメインフレームを有するヨットのデッキ上だったり、カーボンコンポジット製のマストがあったりと、電波干渉を起こしやすい環境であったのは間違いありませんけどね。

それも覚悟の上でのテストなので、やっぱりダメかといった印象ですが、普通に開けた場所で飛行させる分には、何ら問題は無いと思います。

対干渉性能はお世辞にも高いとは言えませんが、そもそも近場で飛行させる用の5.7〜5.8GHz帯が日本の電波規制ガラパゴス化の影響で使えないのが問題なので。そもそも機械の問題では無いのかもしれません。

カタログ上の伝送可能距離は2,000mでMavic Airと同程度、1,000mくらいは飛んでほしいな。

 

Return to Homeはちゃんと使えるのか?

最後のチェックはReturn to Homeモードがちゃんと使えるのかというポイントです。

帰還中の様子を動画に撮るのを忘れていたので、サンプルはありませんが、地面に模様がなくてもホームポイントに1m程度の誤差で降りてきました。
シングルカメラとサーマルセンサーを用いたVPSなので、Mavic 2程の正確な自動帰還を期待することはできませんが、おそらくランディングパッドなどを用意すれば、比較的ピンポイントに帰ってくるのでは?と考えています。

 

こんな感じで撮れます

写真

投稿用にかなり画質を落としていますが、こんな感じの撮影が可能。趣味用のデジタルカメラ程の画質です。
画像保存形式がJPEGだけなので、どうしても圧縮がかかってしまいます。RAWが撮れたら本気の写真愛好家にもお勧めできる機種なんですけどね。

大判出力には不向きですが、雑誌誌面で使用するインサート写真やWeb上で公開する写真としては十分な画質です。

動画

Sparkからかなり進化しています。

動画は2.7kの30fpsまで撮影できますが、後のデータ処理や編集を考えたらFull-HD(1080p)60fpsがやはり実用的。PhantomやMavic 2で撮影していても、ほとんどがこの仕様で撮影しています。
センサーが小さいためダイナミックレンジが狭いので、明暗差が激しくなる場合(晴れの日)の動画撮影はちょっと苦手かもしれません。
この画質ならテレビ番組制作案件であれば、納品できるレベルだと思います。

 

総括|飛行上の注意点

今回2日間に渡ってテストを行いましたが、どちらも風は弱くMavic Miniには易しいコンディションでした。しかし、機体重量が199gしかないので、多少の風でも煽られてしまいます。
風下に対して傾斜中に突風を喰らうと、高い確率でバランスを崩す恐れがありますので、風向と機体の角度・向きには注意してください。

ヨットハーバーでのこの様な写真を、空撮業者のサンプルやドローン空撮写真を投稿しているSNSでもよく見ます。
結構絵になって格好いいですが、ここに写っているプレジャーボートの新艇価格総額はおよそ25億円、現時点での中古価格でも総額10億円を軽く超えています。
Mavic Miniが暴走・墜落してこれら全てを全損させることは起こり得ないとしても、損傷を与える恐れは十分にあります。いくら軽量とは言え、人に危害を加える恐れもやっぱりあります。その賠償責任は操縦者に課せられるのは、模型航空機であっても変わりません。

ドローンが高性能になると、どうしても無理をしてしまいがち。

「無人航空機の対象からは外れているから大丈夫」
「軽量級のトイドローンだから大丈夫」
「初心者だから許してもらえる」
という甘い考えで飛ばしてしまうと、痛い目を見るのはご自身です。

法律による規制が緩い分、問われるのはユーザーのモラルです。

とは言え、航空法の縛りが少なく、安定していて自由に飛ばすことのできるドローンは趣味での空撮には持ってこいの逸品です。

年末年始旅行のお供は確定なので、また色々試したいと思います。


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筆者:Yuh Fujinaga

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