Mavic Miniの発売から半年、実際に使うとどんな感じ?|前編

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2019年10月末に発売されて、早半年が経過したMavic Mini。
Mavicシリーズの機能を保持したまま極限まで軽量化して、249gに。
日本を含む一部の国の仕様では、バッテリーの性能を多少なりとも犠牲にしていますが、199gまで更に軽量化。
機体構造物とバッテリーを含む重量が200gを下回っていることから、航空法による小型無人機の分類では、航空法第9章(いわゆるドローン規制)の適用を受けない
模型航空機に該当します。


過去にMavic Miniについて取り上げた記事はこちら
Mavic Miniご開帳|たった199gの本格ドローン
Mavic Mini屋外飛行テスト|相当頑張ってくれそう?
飛行中のMavic Mini

Mavic Miniの性能は如何に?|機動性能編

機体の運動性能は、空撮をする上でも重要な要素と考えています。
カタログ上のMavic Miniの機動性能は、

上昇速度 4m/s (2m/s)
下降速度 3m/s (1.8m/s)
最大飛行速度 13m/s (8m/s)
※括弧内の数値はGPSやビジョンセンサーが有効なPモードを選択時の能力(基本的にはこちらのモードで飛ばすことが多い)
対風圧性能は 風速8m/sまで

これらの能力が、空撮をする上で十分かどうかと言うと。
写真撮影が目的であれば全く問題無いと思います。そもそも、静止画撮るのに機動性は必要ありませんからね。
動画撮影を目的とした場合は、Pモードだとちょっと動作がもたついたり、移動体を追いかけるとなると風向によっては引き離されたりすることが実際にありました。最高速度が出せるSモードに切り替えるともたつくのは多少なり解消します。
Mavic 2やMavic Airのように、障害物検知用センサーが搭載されているわけではないので、操作に対する機体の反応が早くなること、高速飛行が可能になることにより制動距離が伸びる以外、飛行の安全性について変化はほとんどありません。操作の正確性は要求されますけどね。
最高速チャレンジ
ちなみに、カタログに記載されている最高速度はちゃんと出ました(46.7km/h → 12.97m/s)。

Mavic Miniの性能は如何に?|カメラ性能編

Mavic Miniのキャッチコピーは「フライカム」、Phantomシリーズが全盛期だった時代にも似たようなフレーズが使われていましたけど(アレはたしかフライングカメラだった)。
空飛ぶカメラを謳うくらいなので、カメラの性能は如何程か。

デジカメとしての性能は、

カメラセンサー 1/2.3 inch CMOS 1,200万画素
写真は最大4,000×3,000(A4に高精細出力ができる画質)
動画は最大2.7K:2,720×1,530 30fps

無人航空機と模型航空機で区分こそ違いますが、入門機という点で事実上の先代モデルであるSparkと比べると、センサーサイズや有効画素数は変わりません。
動画はデータサイズが2.7Kまで対応に向上、筆者が最も多用するFull-HD(フルハイビジョン 1,920×1,080)サイズは、フレームレートが60fpsまで向上しています。
フレームレートが60fpsまであると、多少なりスロー編集にも耐えてくれます。
Full-HD 30fpsまでしか使えなかったSparkと比べると、動画の撮影能力は格段に向上しました。

SNSへの投稿やブログレベル、大判出力の必要がない印刷物や出版物での使用には十分耐えられる画質です。
が、映像制作愛好家層に取って残念なのが、写真はJPEG、動画はMP4でしか撮れない点でしょうか。
5万円切ってくるドローンに、そこまで求めるのも何なんですけど。

一番の進歩はジンバルが3軸化したこと

Mavic Miniの性能で特筆すべきは、機体重量200g未満のドローンで3軸ジンバルカメラを搭載したと言う点です。
他のGPS等による自律ホバリング機能を持たせた、200g未満の高性能トイドローンでもカメラ本体の可動域はティルト(上下)方向のみで、パン(左右)、ロール(傾き)はデジタル補正でお茶を濁していたり、そもそも補正していなかったり。
Sparkは2軸、Miniは3軸
入門機という括りでは、Sparkもティルトとロールの2軸ジンバルで映像を補正していたので、回頭動作に対してジンバルによる補正はありませんでした。よって動画を滑らかに撮ろうと思うと、ラダー入力に対してシビアさを要求してくるドローンであったと言えます。
左右方向へのカメラパン操作に対してダイレクトに反応してくれるので、Sparkの操作感は意外と好きでしたけどね。

3軸ジンバルを採用したことにより、ラダー(回頭)入力初期のシビアさは無くなり、上位機種のMavic 2やAirと同じような感覚での操作が可能になりました。
個人的にはラダーに対する機体の反応が若干鈍く、ジンバルによるブレ補正も相まって、回頭が映像に現れるまでラグが大きいのがちょっと気になりますけど。

自律ホバリングの精度は?

「空中に放置してても安心」
ドローンを扱う上ではあまり望ましくはないのですが、空中に放置してても安心かどうかは初心者は言わずもがな、ベテランでも重要視している要素であると思います(少なくとも筆者はそう思ってる)。
自律ホバリング機能を有しているドローンの利点は、「スティックを離して全て中立にすれば、取り敢えず止まる。」という特徴です。
その「取り敢えず止まる」能力が如何程のものか気になる人も多いかと思いますが。
メーカーのDJI曰く、風速8m/sまでの環境下での自律ホバリングは担保すると謳っていますが実際のところどうなんでしょうね。
実際に使用した感じでは。

無風の低空

GPSや機体底面に搭載されたカメラセンサーと赤外線センサーが能力を遺憾無く発揮。ほぼその場に止まります。
カタログに書いてある性能(垂直±0.1m、水平±0.3m)は余裕で満たしてくれます。

多少風が出てきた2~3m/sの微風

体に風を感じるような風域になっても、基本的にカタログに書かれた精度くらいでホバリングはしてくれます。
基本的にその場から動く気配はありません。

無人航空機の飛行を控える目安の5m/s

風力階級表でも草木が揺れたり、旗が開くなどの事象が見られるとされる風速5m/s。航空局が出している「安全飛行のガイドライン」にも、この5m/sを一つの線引きとしています。
筆者がMavic Miniを飛ばしている環境として、最も多いコンディションもこの風域かもしれません。
誰もが体感でも風吹いてるな〜と感じる風域なので、Mavic Miniも風吹いてる感を出してきます。
カタログのホバリング精度から大きく逸脱こそしませんが、ホバリング中の機体を見ると頑張ってる感はあります。

カタログ記載の耐風圧性能8m/s

各種制御機能が正常に作動していれば、DJI安全に飛行できると担保している風速。
この8m/sという数字、瞬間風速と取っておいてもらったほうが無難です。
平均8m/sとなると、瞬間で15m/s近い風が吹くこともしばしば。瞬間8m/sとなるコンディションだと、だいたい平均風速は4〜5m/sほどで、国の目安と同じくらいです。
この風域になると、自律ホバリング中のMavic Miniは相当頑張っています。
時より、突風に反応できていないこともあるので無理は禁物です。
風が吹いてるな〜と、気になるくらいなら飛行を中止した方が安全です。
カタログ数値を超えたコンディションで無理に飛行させていた場合に発生した事故の場合、メーカー保証が受けられない可能性もあるので注意が必要ですし、そもそも、Mavic Miniはそんなハードコンディションで使うことを想定していません。

実際どのくらいの風まで飛べる?

離陸した時はそうでもなかったのに、突然風が吹き上がってきた。
周辺環境の確認をちゃんとやっていれば、事前に察知できたはずですが、トイドローンに対して飛行前確認は義務付けられていないので、飛んでしまったものは仕方ありません。
カタログに書かれている数値を超えたら飛べないというわけではなく、あくまで「飛行の安全性を担保しますよ」という目安。
飛行の安全性は別として、Mavic Miniがどのくらいの風速までなら、飛んで帰ってこられるかは、機体の最高速度を見ると分かります。
Mavic Miniは13m/sで飛ぶ能力を持っているので、理論上それ未満の風速であれば、取り敢えず前に進むことはできます。
やめた方がいいに越したことはありません。

どうしても風の中でも飛ばしたいんだという酔狂な方。
風の中でも正確なコントロールができる自信があるのであれば、機体性能上の最高速度未満の風速であればどの方向でも、飛んでいって帰ってくることはできると思いますが…
突風で押し流されるリスクを考えたら「最高速度 – 5m/s」の風速にまでに留めておいた方が身のためドローンのため。
Mavic Miniの場合、最高速度 − 5m/s = 8m(=カタログ数値)なので、やっぱり無茶は止めましょう。
DJIも結構ギリギリの数値を出してきていると思います。
対気速度を考える
実際の飛行中に風が吹き上がってきて、およそ5m/sの風速をMavic Miniが検知すると、画面に警告が表示されます。

実際に飛ばせる時間は何分くらい?

自動車の燃費数値と同じように、ドローンのカタログに載っている最長飛行時間もほとんど当てになりません。あくまで参考値!

Mavic Mini(199g日本仕様)のカタログに記載されている最長飛行時間は18分。
この18分という数字は、無風状態で12km/hの低速飛行を行った場合の飛行時間。
実際のフライトでは、気温が高かったり低かったり、風が吹いていたり、自律ホバリングをさせていたり、カメラが回っていたりで、余計に電力を使う要素が数多くあります。
そんなこんなを踏まえた実用飛行時間は10分に±2分ほど。実際に電池残量警告が出るまで飛んだ場合の時間です。
昔のドローンが長く飛んで10分くらいだったので、使い方としては2018年12月以前の運用スタイルに近いのではないでしょうか。
筆者が今まで飛ばした中での、最長飛行時間は12分22秒。
購入してすぐの飛行テストの時だったので、屋内で風が無く大人しく飛び回るようなフライトでした。

飛行時間の短い高性能ドローンで気をつけなければならないポイント

飛行時間が短くても飛行性能は高いため、片道1kmを超える長距離飛行も可能です。
他のドローンでも共通ですが、長距離飛行や長時間の飛行をする際に気をつけなければならないポイントは、風向きとドローンと操縦者自身の位置関係です。
風上へのフライト
風下へのフライト
ドローンの位置が、操縦者より風上側にある場合は、そこまで風向を意識する必要はありませんが、反対にドローンが風下にある場合は、無風時と比べて手元に帰ってくるために必要な電力が多くなる事を、頭の片隅にでも置いておいてください。
「バッテリー残量ギリギリまで飛ばして、アラートが鳴ったらRetrn to Homeモードを起動すればいいや〜」
みたいな飛ばし方をしていると、ホームポイントに到達する前にバッテリー切れで力尽きることが多々あります。
ちなみに、真横からの風を受けながらのも電力を余分に消費します。
DJI Fly 画面

標準仕様のバッテリーって使ってOK? そもそも日本仕様のMavic Miniで使える?

世界中で販売されているMavic Miniは、それぞれの国や地域の規定に合わせて様々な仕様があります。
機体については、2,400mAhのリチウムイオンバッテリーを使用した249gも標準仕様と、1,100mAhのリチウムポリマーバッテリーを使用した199g仕様の2種類。
機体に搭載するバッテリーは、2,400mAh仕様の標準バッテリーと1,100mAh仕様の軽量バッテリー、どちらも使用することができます。
充電器などの付属備品もそのまま使用できますし、軽量バッテリーと同時充電も可能です。
しかし、日本仕様のMavic Miniの場合、機体重量が200gを超える標準バッテリーを日本国内で使用すると、DJI Flyのアプリ画面上に警告が表示されます。
そのまま飛行は可能ですが、249gのドローンになるので、航空法上の無人航空機に分類されます。
よって、199gのドローンとして売られているMavic Miniでも、無人航空機として航空法のドローン規制に則り飛行させなければならなくなります。
この場合、Mavic Miniは国土交通省のHP記載の無人航空機に含まれていないため、機体の性能証明等の資料添付が求められるなど、他のDJI製ドローンと比べると申請手続きは煩雑です。

Mavic Miniの操作性は? 新アプリDJI Flyの使用感

従来のDJI製ドローンは送信機に接続するモバイル端末用アプリケーション、DJI GO 4を使用していましたが、Mavic Miniは新しくリリースされたDJI Flyを使用します。
Matrice、Inspire 2、Phantom 4、Mavicの全シリーズ、Sparkを飛行させる為の機能が詰まっているので、お世辞にも信頼性の高いアプリケーションとは言えず、飛行中たまに落ちることもありました。空撮中に落ちると結構ゾッとします。
Mavic Air以降に発売されたモデルでは、自律飛行モードのプログラムが格段に増加したことが影響していたみたいですが。
新しいDJI Flyは、DJI GO 4と比べると、アプリケーション内の機能を削減し、ソフトの容量軽減を図ったバージョンと言えるでしょう。
どうも、Mavic 2シリーズでもこちらのDJI Flyを兼用できるようになるみたいです。
2020年4月時点ではMavic Miniの専用となっています。
DJI GO 4ライブビュー画面

DJI Fly 操縦画面
上が従来製品で使用していたDJI GO 4の操作画面(グリッドはオプションで表示しています)、下がMavic Miniで使用するDJI Flyの操作画面。
両者とも表示されている情報は、飛行に関する情報とカメラ操作に関する表示。

基本的にDJI Flyに表示されている情報で十分に操縦できるのですが、DJI GO 4にあってDJI Flyに無く、あったらいいなと思う表示は、バッテリー残量と低電圧自動帰還が作動するタイミングの表示ですかね。
「離陸して飛び回って、離陸した場所に帰す。操縦者は動かない。」のであれば、無くても問題ないのですが、操縦者自身も移動している場合は50%切った程度の電池残量であっても低電圧RTHへ移行します。
実際の電池残量は十分にあるので、冷静に自律制御への移行を解除し、離陸地点に登録されているホームポイントを現在地に更新さえすれば、多少は飛行を継続できますし、機体を回収することも可能です。

DJI Flyに新たに追加された表示

DJI Flyに新たに追加された表示に、機体位置表示があります。
DJI GO 4にも、GPSマップにホームポイントから機体現在地を直線で結んだ線が表示されていましたが、結構見難い代物でした。

DJI Flyの画面下部中央にある表示
DJI Fly 表示|機体は正面にいる
送信機の向きに対して、飛ばしているドローンがどの方向にいるのかを表示しています。
もちろんGPS環境下でしか使用できませんが、長距離飛行ができる性能を持っているドローンなので正常に飛んでいても、今ドローンがどこにいるのか、ライブビューを見てもどこに帰ったらいいのか分からなくなることもしばしば。
この表示を見れば、機体が今いる方向も分かりますし、機体が今何方を向いているのかもわかるので。
向かい合っている表示になるように回頭し、前進してくれば自分が今いる場所に戻ってくるという訳です。
しかし、こんな場合。大体の人がそのままRTHボタンを押して自動帰還モードにしてしまうのですが、Mavic Miniには障害物検知機能も、衝突回避機能もありません。
RTH高度設定
自動RTH高度の設定を、周辺の障害物を回避できる高さに設定しておかないと、低空を飛行していた場合は設定した高度までしか上昇しないため、設定数値より背の高い障害物は回避することができません。

自律飛行中の接触事故も、操縦者の責任!
飛行予定範囲内にある背の高い障害物は事前に確認し、それを余裕で回避できる高さを設定しましょう。

送信機(リモコン)の操作感

Mavic Miniの送信機は、他のMavicシリーズと同様に、携行に便利な折りたたみ式。
Mavic Air以降の製品だと、スティック戻り外し式になり保管状況に気を使わなくてよくなりました。
リモコン 折りたたんだ状態
操縦する場合は、アンテナ、スマホホルダーを広げ、スティックを装着。
接続したスマートフォンがそのままライブビューモニターとなります。
リモコン 操縦状態
Mavic 2やMavic Pro、Airの送信機と比べると、スティックのバネが若干固めで、先術のラダー操作のラグもあって操作性はそこまで高くない印象(筆者感想)。この辺りは、好みが分かれるポイントですので、「Mavic Mini一筋!」の場合はあまり気にならないかもしれませんが。
残念ながら、バネの強さを変えることはできません(バラしてバネレートの低いものに変えればできるでしょうけどお勧めしません)。
頑張って慣れましょう。

総合的によくできたドローン

ドローン製品としてのMavic Miniは非常によくできた商品です。
基本的な操作感は、カメラの性能等も含めてPhantom 3の様なイメージ。
ただ信頼感は圧倒的にMavic Miniが上です。
もちろんMavic Miniを足掛かりに、さらにステップアップしていくのもお勧めです。

弊社が運営するドローンスクール8では、これからドローン空撮を始めたいという方に向けた講習プランを提供しています。
ドローン入門パック
機体の初期設定から操作方法、基礎的な操縦訓練がセットになったドローン入門パック。
迫力ある空撮動画とまでは行かないまでも、ちょっと上からのアングルで写真撮影ができるようになれば、スマホだけで撮っていた写真に彩がでますよ。
講習で使用したMavic Miniは、そのままあなたのドローンライフのお供に!
受講のお申し込みは上のバナーから、お問い合わせはお電話または下記無料カウンセリングに是非お越しください。

そして何より飛行させるにあたっての制約が少ない。
後編では、Mavic Miniを飛ばすにあたっての使用感をお届けしたいと思います。
機体云々の話では無くて、飛ばしやすさや運用にあたって気をつけている点などが中心の内容です。


 

筆者プロフィール

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