トイドローンは航空法の対象外は間違い?

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トイドローンは航空法の対象外

トイドローンは航空法の規制を受けない。

この謳い文句を結構見かけますし、よく聞きます。

俗に言うトイドローンやマイクロドローンは、航空法上は「模型航空機」に分類され、小型無人機の内、機体総重量200g未満のものが該当します。【航空法第2条第22項、同法施行規則第5条の2】

たまに「トイドローンは航空法の対象外」という文言を見ますが、模型航空機の定義付けが航空法に書かれている時点で、これは確実に間違いと言えます。

現行航空法の扱いとしては、2015年12月10日以前の空物ラジコンと同じ扱いがされています。


 

2015年以前も野放しだった訳ではない

2015年末の航空法改正で行われたのは、無人航空機の定義付けを行い、飛行場所と飛行方法の規制を行いました。ここで新たに設けられたのが航空法第9章の条文です。

航空法の目的は航空法第1条にも書かれています。

この法律は、国際民間航空条約の規定並びに同条約の附属書として採択された標準、方式及び手続に準拠して、航空機の航行の安全及び航空機の航行に起因する障害の防止を図るための方法を定め、並びに航空機を運航して営む事業の適正かつ合理的な運営を確保して輸送の安全を確保するとともにその利用者の利便の増進を図ること等により、航空の発達を図り、もつて公共の福祉を増進することを目的とする。

主たる目的は、航空機の航行の障害を防止し利用者の利便性を高め、これらを以って公共の福祉を増進すること。

これを阻害する行為を防止するために、ラジコンヘリや飛行機などに対して、航空機の航行を妨害する恐れのある行為を禁止する条文が、航空法第99条の2に書かれていました。

ここで書かれている規制は、航空交通管制圏、航空交通情報圏、高度変更禁止空域、特別管制空域における航空機の飛行に影響を及ぼしてはならない(航空機の飛行に影響を及ぼす恐れのないものとして認められた場合や公益上必要やむを得ず一時的なものであると認められ、国土交通大臣が許可したものについてはその限りではない)。

とされています。

航空機の飛行に影響を及ぼす恐れのある行為として揚げられるものに模型航空機を以下の方法で飛ばすことが含まれています。

  • 航空交通管制圏、航空交通情報圏、高度変更禁止空域、特別管制空域に指定された場所において対地高度150m以上の空域での飛行。
  • 航空路に指定された場所において対地高度150m以上の空域で飛行。
  • 先2例以外の場所において対地高度250m以上の空域で飛行。
  • 制限表面上空での飛行

この4つがありました。

実際は、航空機の飛行を妨害しなければOKということしか書いていませんでしたが、当時これを正しく理解してラジコンヘリや飛行機を飛ばしていた人が何人いたでしょうか。

恐らく、ラジコンユーザーが飛行場所を弁えていたため、航空法規制に抵触する様な飛行を行う可能性がほぼ無かった、そもそも百数十メートルの高さまで上昇させたいと思える機体性能ではなかったのも実情なのではないでしょうか。

 

航空法第99条の2は削除されたが…

2019年秋の航空法改正施行により、航空法第99条の2は削除されました。

模型航空機に対する飛行規制は、航空法第134条の3に同じ内容で新設され、今も運用されています。

弊社運営のスクール受講された方に練習用としてお勧めしていたHS210や、発売当初は一世を風靡したTelloやMamboは、操縦電波の到達距離が短いので必然的に到達可能高度も低くなります。筆者の経験だと、Telloを20mも上昇させると、すぐにライブビューはロストし、操縦電波も途切れてしまいました。原因としては飛ばした場所が究極に悪かったことが挙げられます。

トイドローンの街中での飛行は電波干渉のリスクが付き纏い、フライアウェイの可能性はどうしても高くなりがちです。そもそも屋外での利用を想定していない製品も多いため、「航空法の対象外」というのも的外れではないのかもしれませんが・・・、どの様なドローンであっても、屋外での飛行は航空法規制に則って行いましょう。

ほとんどのトイドローンやマイクロドローンは、航空法規制の対象ではあるものの法律を気にしないといけない程の性能を有していなかっただけです。

 

模型航空機の高さ制限は無人航空機より複雑

航空路下の枠組みにRNAV経路が含まれるかどうかは法令に記載はありませんでした。

無人航空機の飛行高度制限は一率150m未満となっているため、運用に困ることはありませんが、模型航空機の場合は、飛行させようとしている場所がどの空域に当たるのかを把握する必要があるので、安易な考えで飛行させていると、処罰の対象となる場合も考えられます。

無人航空機と同様に、地上高の制限です。山間部など地表の標高変化が大きい土地では特に注意が必要です。

 

なぜ今更この内容を?

これまでのトイドローンは、どちらかというと屋内で遊ぶドローンであって、屋外で飛ばしたとしても飛距離や到達高度は知れているという考えの下、弊社としても模型航空機の高さ規制についてはあまり問題視していませんでした。しかし2019年10月末。

これまでの模型航空機とは一線を画する製品が発表されました。

弊社でも取り扱いのある、DJI製ドローン最新作Mavic Mini

2019年9月ごろ、こっそりと販売を終了していたSparkの後継機種、DJIドローンのエントリーモデルという位置付けです。

日本仕様は航空法で模型航空機に分類される様に機体重量を199gまで軽量化。運動性能はSparkと比べるとやや劣りますが、GNSS※1とVPS※2を用いた自律ホバリング機能は健在。送信機の最大伝送距離はカタログ値で2,000mなので、高さ250mにも余裕で到達可能な性能を有していることになります。

※1 GPSやGLONASS等の全地球衛星測位システム

※2 機体下部に搭載されたカメラセンサーと赤外線センサーや超音波センサーを用いて、位置と高さを固定するシステム。

先代モデルのSpark

DJIの本格ドローンのエントリーモデルとして販売されていました。

機体重量は300gで無人航空機に該当します。対風圧性能はこちらが上ですが、その他の性能はMavic Miniに軍配が上がると見ています。

何度も書きますが、模型航空機にも高さについては、航空法で規定が設けられています。しかも複数の規制数値が設定されているので、飛行させようとする場所が何メートルの規制なのか自身で情報を収集するしかありません。そもそも軽量でモーターのパワーも不足がちなので、そんなに高いところまで上昇させる様な飛び方は避けることをお勧めします。山間部での飛行は実高度に十分注意してください。

 

標準仕様との差は

バッテリーの小容量化することにより軽量化しているため、飛行時間は標準使用と比べると劣りますが、他の性能は標準仕様と日本仕様に差はありません。

カタログ上の飛行時間は特定条件下で18分、実用で12〜13分と言ったところでしょうか?

使用感としては先代のSparkと同じ様なイメージと思っておいて良いかと思います。なので、遠方への飛行は控えた方が良さそうです。2km飛ぶとメーカーは言っていますが。

ちなみに、標準仕様のMavic Miniは機体重量が249gで、こちらはアメリカの連邦航空法で定められているFAAへの機体登録義務が課せられる対象となる250gに合わせた仕様です。飛行時間もカタログ値で30分程飛ぶそうです。

このバッテリーを手に入れて、日本国内で飛行させる場合は無人航空機として飛行させることになります。この場合は、人口集中地区内での飛行や目視外飛行、他者に接近する飛行を行う場合は、航空局の許認可が必要です。

発表早々に注文しましたが、想像以上の反響により、弊社にもまだ実機が届いていません。機体の使用感等々のレビューは機体が手に入り次第行いたいと思います。

 

小型無人機等飛行禁止法は模型航空機も規制対象

大阪では、2019年G20サミットとラグビーワールドカップの会場とその周辺での飛行禁止措置がとられたのが記憶に新しいかと思います。

本来は国会議事堂等の国の重要施設付近の飛行を禁止するための法律でしたが、2019年の法改正で自衛隊関連施設と先日開催されたラグビーワールドカップ、来年の東京オリンピック・パラリンピックの会場となる場所も、飛行禁止措置の対象となりました。

この法律によって飛行が禁止される対象も、無人航空機と模型航空機の区別がされていません。Mavic Miniもしっかりこの法律の規制対象となります。

たとえ500円玉サイズの超小型ドローンであっても、飛行禁止区域やその周辺区域で飛行させた場合は処罰の対象となります。

小型無人機等飛行禁止法の概要(警察庁HP)
防衛省・自衛隊|小型無人機等飛行禁止法関係通告(防衛省HP)

11月19日に広島県で、同法違反として初の摘発がありました。

時事ドットコムニュース 2019年11月19日13:02 発行記事

広島県呉市の海上自衛隊呉地方総監部の周辺区域でドローンをとばしたとして、ドローンを操縦していた人が書類送検されています。このとき飛ばしていたドローンは機体重量150gとのこと。

裁判で有罪となれば、1年以下の懲役または50万円以下の罰金の対象です。

最終的には操縦者のモラル

日本仕様は航空法上、無人航空機ではないため、無人航空機の飛行に係る許可・承認を得るための手続きを踏むことなく、気軽にフライトを楽しむことができます。しかし、航空法以外の規制は、概ね無人航空機と模型航空機を区別していませんので、ドローンの飛行が禁止されている場所での飛行はMavic Miniでもやっぱりダメです。

他者の私有地上空を飛行させる場合も、やはり地権者の了承を得てから飛ばす様にしてください。

無人航空機と違い場所によっては、249mまで上昇することができますが、重さが200g程しかないドローンを上空200m付近まで上昇させて起こり得る事象は誰でも想像できると思います。

船乗りの間では事故に遭わない起こさない操船技術の事をシーマンシップと言います。これと同様の心得をドローンのユーザーも持つべきだと思います。

 

最優先すべきは、事故を起こす可能性のある事をしないこと。

これは、無人航空機も然り。

 


筆者:Yuh Fujinaga

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