空撮屋のノウハウ Vol.4|撮影の仕事、準備が9割 − 中編

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航空法第132条の2 第2号
国土交通省令で定めるところにより、当該無人航空機が飛行に支障がないことその他飛行に必要な準備が整つていることを確認した後において飛行させること。

航空法施行規則第236条の4
法第132条の2第2号の規定により無人航空機を飛行させる者が確認しなければならない事項は次に掲げるものとする。
一 当該無人航空機の状況
二 当該無人航空機を飛行させる空域及びその周辺の状況
三 当該飛行に必要な気象情報
四 燃料の搭載量又はバッテリーの残量

2 無人航空機を飛行させる者は、前項第一号に掲げる事項を確認する場合において、当該無人航空機の外部点検及び動作点検を行わなければならない。

フライトプランが出来上がったら、いよいよ実際のフライトに向けての準備に入っていきます。
2019年9月の航空法改正では、飛行エリアの状況や天候などの情報、使用するドローン本体の状態などを含めた、事前確認を行うことが義務化されました。
従来から飛行予定範囲や機体の状態について、安全な飛行が行えるか否かの点検を行うことは求められていました。

飛行エリアの安全確認

飛行を予定しているエリア内の環境の下調べは重要です。
構造物の高さや空中を走る電線。
ドローンの操縦やライブビューの伝送に影響を及ぼす恐れのある電波塔。
空港やヘリポートなどドローンの飛行を制限する施設が周辺に無いか。
その他、飛行許可・承認にあたり接近や付近での飛行が禁止されている施設(学校や病院、新幹線や高速道路)が無いか。

理想を言うと、実際に現場に足を運んで生の環境に触れることが大切ですが、遠隔地での撮影ともなるとそういう訳にもいきません。
しかし現在では、Google Mapなどを利用すれば、周辺の地形、ストリートビューで電線の状況なども確認できる場合が多く、実際にロケハンに行くことも少なくなりました。

上空権を考える

ドローンを街中で飛ばす上で、航空法規制より厄介な問題源になっている民法による土地所有権。
民法第207条で、土地の所有権は法令の制限内において、その土地の上下に及ぶ。とされていますが、地下の40m制限。じゃあ上は?
ドローン規制の安全距離30m?
地下と同じ40m?
キリよく100m?
航空機の安全最低高度より下の150m?
実は、土地所有権の及ぶ高さとして明確な基準は無く、領空と同じ海抜100kmまでと解釈されることがほとんど(300mと言う意見もあり)。
ドローンの場合は土地上空の低いところを飛ぶ可能性が高いため、飛行による騒音などの影響が無いとは言えません。
現行の法制度下では、航空法第1条により公共性が謳われているため。そして民法第1条により「私権は公共の福祉に適合しなければならない。」とされていること、一般法・特別法の優劣から、有人の航空機では航空法の最低高度規制に則っていれば、たとえ民家の上空であっても飛ぶことができます。

無人航空機はどうかと言うと、ドローンの飛行に公共性は無いと解釈されています。
よって、民法の土地所有権(上空権)の主張が可能になります。
筆者の主観では、最近は公共性のあるドローンの飛行も無くはないと思っていますが、公共性のあるドローンフライトが認められるには、もう少し時間が必要なのかもしれません。

と言うわけで、ドローンを人家の上空で飛ばすには飛行経路下全ての地権者に、上空をドローンが飛行しても良いかどうか確認する必要があります。確認の仕方はこれといった規定や体裁はありません。
もしダメだと言われたら、その家屋周辺での飛行計画を変更する必要が出てきますが、それは仕方がありません。
旅客機の事故リスクは10億分の1程度、ドローンの事故リスクはと言うと・・・
ドローンが落ちたと言う話はよく聞くので、お察しの通り。
自分の家の上空をドローンが飛ぶことを嫌がる理由も理解できますし。

気象情報の確認

ウェザーニュースtenki.jp(日本気象協会)など民間の気象情報サイトでは10日程度先の予報まで、見ることができます。
もちろん、10日先の予報精度は高くありませんが、撮影日程を考える上での材料になります。
通常の天気予報とは別に、ECMWF(ヨーロッパ中期予報センター)GFS(アメリカ海洋大気局)の予報モデルを確認したり、GPVやSCWなどのスーパーコンピューターのモデルを参考に独自予報を出すこともあります。
予報モデル参考
撮影日程が近づいてくると、天気予報の精度も上がってきます。
この記事を執筆している6月は特に天気の読みが難しい時期で、前日まで天候判断をすることもしばしば。
予報モデルを見て独自に天気予報を出せるレベルになってくると、いよいよホンモノです。
空撮で使用されている多くのドローンは防水防滴性能を有していません。
精密電子機器の塊であるドローンにとって水気は天敵です。
雨の日はもちろん、霧の日もドローンの飛行は控えましょう。
対風圧性能もDJI製品であれば10m/sまで耐えられるとなっていますが、自律ホバリングは結構危険領域。風の中の飛行は、ドローンがバランスを崩す恐れがあるなど、リスクのある飛行方法であることに違いはありません。

天気予報の確認で重要なのは、法律で定められている雨と風。
加えて、被写体の写りを左右する陽のあたり方を確認すると良いでしょう。

機体の点検〜バッテリーの充電

ここからはドローン本体の準備に入っていきます。
フライトの前日には、必ずバッテリーの充電状況を確認しましょう。
古くから空撮産業に携わっている人でよくあったのは、以前は10日が自己放電開始の最短期間でしたが、最近のファームウエアでは、バッテリー保護機能の自己放電が5日で始まります。
デフォルトで5日間に設定される様で、前の週末に充電したバッテリーが翌週末まで放置していると放電されて残量60%に・・・
という様なことが、筆者も2〜3回ありました。

機体本体の確認もしましょう。
特に最近メジャーな存在になってきた、Mavicシリーズの様な折りたたみ式のドローンは、機体構造としての可動部が多いので、点検するべきポイントは自ずと多くなります。
Mavic 点検ポイント
Inspire 1最近は使う機会も少なくなってきたInspireシリーズ。

この機体は、飛行中にアームを稼働させる構造なので、動作部が正常に動くかどうかの確認が重要です。

これでドローンの準備は粗方完了!
あとは、撮影に向けてカメラとしての準備に入っていきます。
フライトプランやコンプライアンスは重要ですが、これまで準備してきた物を不意にしないためにも、意外と重要なセクションになります。

 


筆者プロフィール

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