空撮屋のノウハウ Vol.3|撮影の仕事、準備が9割 − 前編

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空撮屋のノウハウ第3段は、いよいよフライトミッションへ。
とはいうものの、空撮の仕事の大部分が事前準備で終わります。
如何に起こりうるトラブルを予見するかもそうですし、コンプライアンスも重要です。

飛行許可の内容を確認

ドローン空撮の仕事がスタートするとまず確認することは、航空関連適用法令の確認です。
報酬をもらって仕事をする以上、ドローン規制に関する知識については専門家である必要があると思います。でないと、航空法違反で検挙されるばかりか、撮影した映像も使用不可となってしまう可能性も大いにあります。
特に、包括飛行許可承認を得ている場合は要注意。フライト前に申請した内容を今一度確認しましょう。
趣味で飛ばす場合も、同様です。

包括許認可内容を逸脱する場合は追加申請を

空撮屋のノウハウ Vol.2|空撮屋と法規制の戦い内でも述べた通り、包括許可承認では様々な制約の中でドローンを飛ばす必要があります。
しかし、その枠に収まらない条件の業務を依頼された場合は、法令遵守の観点から依頼その物を断るか、許可承認内容を逸脱した部分に対して個別の追加申請を行うことになります。
例をあげると、人口集中地区内で夜間飛行を行う場合追加申請が必要になります。
※現行制度では包括許可承認申請で制限緩和を含めることができないため。

航空局への飛行許可承認申請に係る相談や、申請に必要な飛行マニュアルの独自策定の相談はこちらへ

できないことはできない!どうしようもない!

この精神は結構大切です。というのは冗談として。
2020年6月現在の制度下では、無人航空機で残念ながら夜間の目視外飛行を行うことはできません。
包括申請の限定解除は疎か、個別申請でも承認を得ることはできません。
このような例に当てはまってしまった場合は、ミッションが動き出す前に制度上実施不可であることを依頼者に伝えなければなりません。
ドローンのオペレーターに非があるわけではありませんので、取り返しがつくうちに手を打っておきましょう。
一応、この例の場合は解決策はあるのですけど。

個別申請でも許可書発行まで2週間はかかる

既に包括許可承認を得ているのであれば、許認可外の項目の追加申請だけで済む為、手続きその物は比較的スムーズに進むはずですが、やはり10開庁日の原則は頑なに守ろうとする航空局。
申請は早め早めに行うようにしましょう。

航空法以外のルールにも気を配る

専用の許認可制度が設けられている無人航空機の場合は、飛行許可承認書を取ってしまえば航空法については全て解決。
しかし、専用の許認可制度の無い模型航空機の飛行や、航空法以外の規制については、それぞれの法規に基づいて許可申請を行ったり、ドローン飛行の了承を得るなどの周辺固めが必要になってきます。
例えば、道路上からの発着や低空域の飛行など、特定の条件に当たる場合は道路交通法に基づいて、道路使用許可を管轄警察署長からの道路使用許可が必要になります。
民家上空など、第三者が管理所有する土地上空を飛行する場合も、民法の規定により土地所有権はその土地の上空まで及ぶとされていることから、飛行許可という大袈裟な物ではないにしても、所有地上空のドローン飛行の了承くらいは得るようにしましょう。
福島上空

規制対策が終わったら飛行プランの策定へ

コンプライアンスも大切ですが、フライトプランの策定も同じくらい大切です。
空撮の仕事となると、写真を撮るのか動画を撮るのかでフライトプランで大きな差が出てきます。
これから遂行しようとしているミッションが何を目的とするのかを考えます。

写真撮影が目的

写真撮影を目的としたフライトの特徴は、
・操縦そのもの技量はほとんど問われない
・ある程度飛行経路を事前に特定できる
・単発の飛行時間は短め
・飛行中の視野を広く持つことができる
被写体が動体である場合を除き、原則止まって撮影します。じゃないとブレます。
よって、事前にある程度正確な飛行ルートや飛行範囲を定めることができます。

撮影の方法によっては、A地点から離陸して上空で撮影。着陸させてB地点に移動して再離陸して撮影・・・
のような飛び方も可能なので長距離移動を含むフライトを避けるプランニングも可能というわけです。

バッテリー1本で飛行できる時間も、操縦及びライブビューの通信品質も圧倒的に向上しているため、広範囲にわたる撮影も1フライトで熟すこともできてしまいます。
この場合のフライトプランとして望ましいのは、遠くのカットから順番に撮ってくるプランを構築することです。
まずは遠くのカットから

動画撮影が目的

動画撮影を目的としたフライトの特徴は、
・空撮ドローンオペレーターの腕の見せ所
・求める映像の内容による操縦難易度の幅が広い
・事前に飛行経路を定めることはできなくはないが、大体逸脱する
・単発の飛行時間は長くなりがち
・飛行中の視野がライブビューのみになることが多い
動画撮影で気をつけなければならないのは、ハイレベルなオペレーターほど機体周辺の障害物に対する警戒が疎かになる点です。
飛行時間数百時間、飛行回数数千回に及ぶオペレータでも「木にぶつけた」「建物にぶつけた」「被写体にぶつけた」みたいな、しょうもない事故を起こしてしまうのもこのため。
FOV84°のカメラを積んだPhantom 4 Pro、見えているのは水平方向では画角の84°だけで、残りの276°は全て死角。
垂直方向だと見えている範囲はもっと狭い。
フライトプランの構成は「遠くから近くへ」の基本に基づくことと、「風上から風下へ」という考え方も頭の片隅に置いておいてください。
写真以上にバッテリー残量ギリギリまで飛ぶ可能性が高いので、風下に遠く離れていると手元まで帰って来れなくなる可能性もあります。

共通

写真撮影・動画撮影の共通事項は、周辺の障害物の確認です。
これは建物や樹木、電線などの空中線など物理的障害物と、ラジオや携帯電話の基地局、変電施設などドローンの操縦電波に影響を及ぼす恐れのある電磁的障害物全てをピックアップしておく必要があります。
また、発着場所や撮影場所の地質にも注意する必要があり、地磁気の強い場所ではドローンに搭載されているコンパスに影響を及ぼす恐れもあります。

環境としてあまりよろしく無い

筆者がドローンを飛ばす環境としてよくあるシチュエーション。
業界の中でもかなり異質なコンディションですが、この場合気をつけるのは。発着点が狭いことは別として、ヨットのマストがカーボンファイバー強化プラスチック(CFRP)製であること、程のメインフレームがメッキ加工のスチールフレームであること、マストトップにある風向風速計のデータはWi-Fiでデッキ上のメーターに送信されていることを考慮しています。
鋼鉄製の船や、スラブ配筋の床の上だと、鉄の影響で同じくドローンのコンパスに影響を及ぼす恐れがあります。

長くなったので一旦ここまで!
次回は、Vol.4|撮影の仕事、準備が9割 − 後編
2回に別れるほど、事前準備はやることが多いんです。

それではまた次回〜


 
筆者プロフィール

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